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カート

カートが空です

About Leather

革の個性とエイジング

Mackerel Grandは、すべての製品の素材に天然皮革を使用しています。
人間の皮膚が一人ひとりそれぞれ違うように、動物の皮から作る革もそれぞれに表情が異なっており、この違いが革の個性となっています。
革には動物が生きていたときにできた皺、傷、たるみや血管のあとなどの表情が現れることがありますが、これらの表情はそれぞれの革が持っている差別化要素とお考えください。
動物の皮から作られる革が一枚一枚違うことは自然なことで、どれだけ丁寧に鞣し加工をしてもこの個体差を避けることはできません。
天然素材であることのの証、革の個性としてお楽しみください。

天然皮革のもうひとつ魅力は、革を育てエイジング(経年変化)を楽しむことです。
タンニン鞣しの革のエイジングは、使い込むほどに色合いや質感、形状が変化し、時間の経過とともに独特の雰囲気を増していきます。
使い始めは少し固い感じがするかもるしれませんが、使い続けていくうちにしっくり手に馴染んでくるのがタンニン鞣し革の特徴です。
一般的に、製品が使い込まれることは否定的に取られることが多いですが、タンニン鞣し革で作った製品の場合はまったく逆です。
タンニン鞣し革は、使えば使うほど、エイジングを重ねれば重ねるほど、深みのある雰囲気を生み出すのです。天然皮革で作られた製品を、
唯一無二の色合いや質感に育てあげる楽しさ、それこそがエイジングの醍醐味なのです。

カウハイド

カウハイドとは、生後2年以上育成され出産を経験したメスウシの革です。メスウシであるため、ステアハイドやブルハイドよりも薄く柔らかさもありますが、仔牛のキップスキンやカーフスキンに比べると厚みがあり、丈夫なのが特徴です。また、出産を経験したメスウシの革なので、ベリー(腹部)が伸びやすくなっていることも特徴のひとつです。

ステアハイド

ステアハイドとは、生後3か月から6か月以内に去勢され、2年以上育成されたオスウシの革です。去勢することで性格が穏やかになり、ウシ同士が喧嘩をしなくなるために傷が少なく、革の厚さ、耐久性のバランスが取れた牛革の代表です。カーフスキンやキップスキンに比べると繊細さや肌触りは劣りますが、銀面はとても丈夫で耐久性が非常に高いことが特徴です。また、使い込むほどに革が馴染み、風合いが出てくることもステアハイドの魅力のひとつです。

ブルハイド

ブルハイドとは、去勢されずに生後3年以上育成されたオスウシの革です。ブルハイドは牛革のなかでも厚みがあり、非常に丈夫で、トップクラスの耐久性を誇っています。ただし、去勢されていないオスウシは気性が荒く、喧嘩を繰り返すために革表面に傷が多いこともブルハイドの特徴となっています。

銀面(革表面)に見られるさまざまな表情

動物の皮から作られる革の銀面は一枚一枚がそれぞれ異なっており、それぞれの革によって表情も大きく違います。このような個体差は革が天然素材あることの証であるとともに、それぞれの革の個性、あるいは差別化要素だとご理解ください。以下は銀面に見られるさまざまな表情を解説したものです。

シボ

シボとは原皮についていた皺(しわ)のひとつで、銀面に起伏状に現れる特徴があり、見た目だけでなく、凸凹した手触りを楽しむことができる革の表情です。
革の繊維密度の違いによってシボの大きさは変化します。シボの大小は銀面の表情を大きく変化させ、シボが大きいものは迫力を生み、シボが小さなものは上品な印象を与えます。


シボの現れ方は革の線維密度や締まり具合などによって変わるため、一枚の革でも部位によって現れ方が異なります。
とりわけ、首から肩にかけての部位と腹まわりは繊維密度の変化が大きいため、さまざまなシボが見られます。
またシボは加工によって作り出すことも可能で、タイコと呼ばれるドラムに革のみを入れて革を叩きつけることで繊維をほぐしてシボを生む、”空打ち”や、薬品によって均一なシボを作る”シュリンク加工”などがあります。

トラ

天然素材である革には、皮を採取した動物の身体的特徴が色濃く反映されます。


トラとは革の銀面にスジのように入っている皺のことで、首、肩、背中、腹など皺の入りやすい部分に現れます。
トラは、個体や部位によって深い筋のようになったり、細かい線のようになったりと現れ方はそれぞれ異なりますが、亀裂が入っているわけでも傷んでいるわけでもないので革の品質に問題はありません。


むしろトラが生まれる首から肩、背中にかけての部位は、ウシの体の中でもしっかりと動く部位となるため、他の部分よりも丈夫な部分ともいわれます。
さらにトラのある革は、革の表情を豊かにする自然の刻印として認められています。

血筋(ちすじ)

天然素材の中で革にしかない独特のものが血筋です。
血筋は皮膚のすぐ下を走っていた血管の跡が残ったもので、革の銀面に細かく枝分かれしたような筋のように現れます。


特にタンニン鞣し革のように自然な風合いの革では、革の表側からも裏側からもはっきりと血筋を確認することができます。血筋は革の美観を大きく損なうような場合以外は革の表情として受け入れられており、革の個性として認識されています。
また血筋は天然皮革にしかない特有の模様ですので、これがあるということは天然皮革の証でもあるのです。

バラ傷

室外で飼育されている動物の皮膚には、柵に引っかけてできた傷跡や虫刺されの跡、喧嘩をしたときにできた傷跡など、さまざまな傷がついています。


バラ傷とはこれらの傷痕が革の銀面に残ったもののことです。
北米や南米産の原皮の大部分は、草原で放牧されたウシのものであるためバラ傷が多いといわれています。


バラ傷は天然皮革であればごく自然に存在するものなので、強度的に問題がなく銀面の美観を大きく損なうことがない限りは、野生味ある革の表情のひとつとして認識されています。

ムラ(染めムラ)

動物の皮膚を原料とする革は、部位によって繊維の太さ、密度、繊維自体の性質が異なるため、染料の入り方も均等にはならず、銀面の色に濃淡が現れることが少なくありません。


このような銀面に表れる色の違いが、色ムラや染めムラと呼ばれるものです。一般的に、革が薄い部分は色が濃くなり革が厚い部分は色が薄くなるという傾向があります。


また、革の材料となる原皮の繊維密度や厚さは、体の部位だけでなく、ウシの飼育環境、品種、性別や年齢によっても異なるため、銀面を均一に染色にすることはできません。
だからこそ色ムラは、銀面の表情を豊かにする演出として認識されているのです。

ピンホール

ピンホールとは、革の素材となる動物の毛穴や毛根が銀面に現れたものです。
動物は体全体を体毛が覆われているため、原皮には毛穴や毛根が無数に存在します。


一般的にこのような毛穴や毛根は、革の収縮加工、型押し加工、シワ付け加工などの表面加工、あるいは顔料による着色などによってほとんど見えなくなりますが、革の部位、個体差、動物の種類によっては毛穴や毛根が銀面に残ることがあります。
特にタンニン鞣し革のように染色だけで表面加工をほとんどしない革の場合は、毛穴や毛根の痕跡が自然の表情として現れることがあります。
またブタ、ヤギ、ダチョウの革などは、それぞれ独特の毛穴が銀面全体に散らばっており、個性的な表情を作り出しています。

ホクロ、かさぶた痕

革の素材となるウシの皮にも人間の皮膚と同じようにホクロがあります。
ホクロができる部分はさまざまですが、染色方法によってはホクロが濃く現れることもあります。


また、原皮にできた傷が治ったあとのたかさぶた痕が銀面に残ることもあります。
傷の大きさ、深さによっては小さな穴が開いたように見えることもあり、銀面への現れ方は千姿万態です。

ブルーム

ブルームとは、グリース成分が凝固化したものが銀面に現れたものです。
グリースとは、牛脂や蜜蠟、ワックスなどを混ぜ合わせたものです。
グリースを革に染み込ませることで、銀面の防水効果が高めると同時に、革全体の乾燥を防ぐことができるようになります。


またグリースは、革に塗り込んた直後は透明ですが、時間を置くことによってワックスが凝固化し銀面に白く浮き出てきます。
製品に現れたブルームは、使い込んでいくうちに体温などによって溶けて少しずつ薄くなりますが、一定期間製品を使用しないとブルームが銀面に再度現れることもあります。
銀面に白く浮き出たブルームは、丁寧に作り込まれた革の証拠として広く親しまれています。

皮の鞣(なめ)し方法と特徴

鞣しとは、動物から採取した皮を、乾燥によって硬化したり、湿度によって腐敗するのを防ぐために施される加工のことです。
数十もの段階的工程を経ることで、皮の構造は化学的に安定し、長期保管が利く素材に変化し、”皮から革”へと生まれ変わるのです。
つまり、皮は鞣し加工を経て革になり、耐久性や保存性に優れた天然素材となるのです。

タンニン鞣し

タンニン鞣しとは、植物樹皮などから抽出したタンニンを主成分とする鞣し剤を使って皮を鞣す方法で、古代エジプト時代から行われています。
タンニン鞣しは数か月を要することもあり、手間と時間を必要とする方法ですが、革の繊維構造が締まることで耐久性が高くなり、型崩れをしにくいことが特徴です。
また、吸湿性に富んでいるタンニン鞣し革は使うほどに銀面が丈夫になる一方で、質感は柔らかくなっていきます(革の繊維構造がほぐれていきます)。
さらに使い込むことで銀面の風合いも変化し、エイジングを楽しめることもタンニン鞣し革の大きな魅力のひとつです。

クロム鞣し

クロム鞣しとは、塩基性硫酸クロムを鞣し剤に使用する方法で、1858年にドイツで開発された比較的新しい鞣し方法です。
クロム鞣しは時間と手間がかからない加工方法のため大量生産に向いています。
またクロム鞣しによって鞣された革は、革表面が水をはじきやすくなることに加え、柔軟性に富み、耐久性が高く、染色性がよいことも特徴です。
クロム鞣し革は、経年変化が少ないためエイジングを楽しむことはできませんが、定期的に革のメンテナンスをする必要がないことは大きな利点のひとつです。

コンビネーション鞣し

コンビネーション鞣しとは複数の鞣し剤(通常、タンニン鞣し剤とクロム鞣し剤)を組み合わせて使用する鞣し方法で、タンニン鞣しとクロム鞣しの特性や長所を引き出した鞣し方法です。
一般的には、クロム鞣しを行なったあとタンニン鞣し剤を加えて鞣します。
こうすることで、タンニン鞣し革のようにエイジングを楽しむことができるようになることに加え、クロム鞣し革のように丈夫さと柔軟性をあわせ持った革に仕上がります。
コンビネーション鞣しは、ひとつの鞣し剤では得らない特性を生み出したり、単独鞣しの欠点を補うことができるという利点があるため、近年大きな注目を集めています。

レザーのメンテナンスについて

Mackerel Grandの製品を長くご愛用いただくたのお手入れ方法をご紹介します。レザーは乾燥すると、人の肌と同じように銀面(革表面)がひび割れしたり、汚れが付着しやすくなったりダメージを受けやすくなります。ひび割れが起きてしまうと元には戻せないため、大切なレザー製品を長くご使用いただくためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。

メンテナンス方法は、製品に使用されているレザーの種類によって多少の違いはありますが、基本的な流れに大きな違いはありません。ここでは、レザー製品全般に共通するメンテナス方法を分かりやすくご紹介いたします。

メンテナンス頻度

メンテナスの頻度は、革全体を触れる機会が多い財布やアクセサリーなどのレザー小物と、革全体を触れる機会が少ないレザーバッグとでは分けて考えることが重要です。

レザー小物

手で触れる機会が多いレザー小物は、日々使用しているなかで自然に革が保湿されるため、銀面に艶が出やすく、エイジングが進みやすいことが特徴です。
銀面のひび割れは起こりにくいですが、レザークリームで銀面に油膜を作り汚れにくい状態を保つことで、美しいエイジングが可能になります。
”革が乾燥してきた”と感じたらお手入れしてください。
レザー小物のお手入れの頻度は1シーズンに1回ほどで、クリーナーで汚れを落としたあと、レザークリームで保湿します。

レザーバッグ

クロスショルダーバッグやレッグバッグなどは、体に接している部分以外は手で触れる機会が少ないため、定期的なメンテナンスを行うことが欠かせません。
体に接する部分だけ色が変わったりしないようにするには、2か月に1回ほどのメンテナンスが必要です。
定期的にお手入れをすれば、革全体を美しくエイジングさせることができるうえ、適度な油膜がバッグを保護してくれるため、水染みなどを防ぐ効果も期待できます。

メンテナンス手順

レザーのメンテナンスの流れは、人のお肌のケアと同じです。
まずは汚れを落とし(クレンジングする)、それから保湿します。この繰り返しで、革は美しく経年変化していきます。 

1 ブラシで革表面のほこりを落とす

まず、革表面についたほこりや手垢をブラシ(革専用の馬毛ブラシがおすすめです)を使って落とします。縫い目やファスナー部分はほこりなどの汚れがたまりやすいのでの入念にブラッシングします。
汚れがひどい場合は、かたくしぼった濡れタオルで革表面の汚れを拭き取ります。水分で汚れをほぐすようなイメージで優しく拭き取ってください。

2 クリーナーで汚れを拭きあげる

ブラッシングのあとは、クリーナーで汚れを拭きあげます。乾いたきれいな布に少量のクリーナーを取り、クリーナーを布に刷り込むようにして馴染ませます。クリーナーが布に馴染んだら革表面全体を拭きます。
この際、力を入れずに軽く磨くように拭くことが大切です。

3 レザークリームで保湿する

クリーナーでしっかり汚れを取ったら、レザークリームで保湿を行います。
乾いたきれいな布に小指の第一関節ほどのレザークリームを取ります。レザークリームを布に刷り込むようにして馴染ませます。
レザークリームが布に馴染んだら、革表面全体にまんべんなく塗布します。
この際、レザークリームが染みにならないよう、できるだけ薄く均一に塗ることがポイントです。

4 乾拭きする

レザークリームを塗り終えたら、少し時間をおいて革表面にレザークリームの成分をなじませます。
最後に乾いたやわらかい布で優しく拭きあげれば、レザーのメンテナンスは完了です!

防水スプレーについて

雨や水で革表面が濡れてしまうと、染み、色落ち、水ぶくれの原因になることがあります。
防水スプレーで適切なケアを行うことで、革へのダメージを予防するとともに汚れ対策にもなるので、防水スプレーを効果的に活用することをおすすめします。
防水スプレーの使用は1雨1回が基本です。
雨や水からバッグなどのレザー製品を守るために、雨が降りそうなときは前もって準備することが大切です。
その一方で、防水スプレーは革表面をコーティングしてしまうため、革の呼吸を妨げたり、レザークリームが浸透しにくくなったり、革表面が硬くなってひび割れしたりする原因になることがあるため、多用しすぎないよう注意することが大切です。

防水スプレーの使い方

防水スプレーを吹き付ける前に、革表面のほこりや汚れをブラシ(革専用の馬毛ブラシがおすすめです)で落とします。縫い目やファスナー部分のほこりや汚れも落としてください。

防水スプレーは、風通しがよい場所で使用します。密室など風通しの悪い場所で防水スプレーを使うと、体調不良の原因になることがありますのでご注意ください。防水スプレーを吹き付ける際は、革表面から30cmほど離れた位置からまんべんなく吹き付けることがポイントです。なお、革と防水スプレーには相性がありますので(革にあわないスプレーは染みや色落ちの原因になることがあります)、初めて使用する際は目立たない部分で試してからお使いください。

防水スプレーが革表面に馴染むまで乾燥させます。防水スプレーを吹き付けた直後は防水効果が低いため、外出をする際は、時間に余裕をもってケアを行なってださい。革表面が乾いたら、柔らかい布で優しくなでるように拭きあげます。革表面を拭きあげたら、水を数滴落として撥水テストします。革表面が水を弾いていれば防水ケアは完了です。防水効果は防水スプレーによって違うため、持続する日数は商品ごとに確認してください。

雨との付き合い方

防水ケアをしていても、革表面が雨で濡れた場合はすぐに拭き取るという習慣を身につけましょう。
防水スプレーで革表面を保護をしていても、吹き付けにムラがあったり、時間がたって効果が薄れたりしていれば、染みや色落ちを完全に防げるとは限りません。

また、雨が降りそうなときは大切なレザーバッグは使用せず、お休みさせてあげるという方法もケアのひとつです。
大きな染みが着いた場合、もとに戻すことは簡単ではありません。
また防水スプレーでコーティングしすぎると、革表面の質感や雰囲気を損ねてしまったり、エイジングが進みにくくなる原因になることもあります。
バッグなどのレザー製品を心地よく使い続けられるようにするためには、雨が降りそうな日は使わない、濡れる可能性がある場所には持っていかないというように、事前に対策することも効果的なケアの方法のひとつであるとお考えください。